3月 大阪では葡萄シーズンが本格的にはじまります
我々葡萄のカネオクでは、デラウェアを1.3ヘクタールほど栽培していますが
その中でも加温(ボイラーで温める温室ハウス)の畑はジベレリン処理がスタートします
ぶどうの対するジベレリン処理とはWikipediaによると
種無しブドウを生産するために行う。具体的には、粉末状のジベレリン A3 を必要量水に溶かしジベレリン水溶液を作る。それをカップ状の容器に入れ、ブドウの房をカップの中の水溶液に浸漬する。この処理はブドウの房ひとつひとつに対して手作業で行わなければならず、かなり手間のかかる作業である。なお、ジベレリン自体は無色透明であるので、このままであると処理済み果実との判別が出来なくなるので食紅等で溶液は着色させている。着色させることにより処理した果実には色が付き、処理済みか否か判別できる。また、ブドウの品種毎に開花からの日数で処理すべき最適な日数は異なり[21]、仮に最適日が雨でも浸漬作業は行われる。品種により感受性が異なることから、種無し化されやすい品種(デラウエアなど)と種無し化されにくい品種(巨峰など)がある。
と、開花前にジベレリン処理をすることで種を抜くことができます
もともと特殊な品種を除いて、ぶどうの実の中には種があります
ですが、現代は種無しのぶどうが当たり前の世の中
マーケットのニーズに答えるためにも種を抜く処理が必要なわけです
さらに、ジベレリン処理はただ種を抜くだけではありません
ジベレリンは植物ホルモンなので、果房の成長を促進します
ぶどうの軸がグッと伸び、身の肥大化も進みます
ちょうどいいタイミングでジベレリン処理をしないと、
軸が伸びすぎて長細く不格好なぶどうになったり、粒が詰まりすぎたりします
ジベレリン処理のタイミングで今年のデラウェアの出来が決まる!と言っても過言ではないというはそういうことです
デラウェア以外の大粒系のぶどうは
ジベレリン処理のタイミングが「花が満開になってから4日間」などと比較的わかりやすいことが多く
また、その後の摘粒(ぶどうの粒を間引く作業)で、必ず後から調整もできるので
そんなにジベのタイミングはシビアでもありません
デラウェアの場合は摘粒をしない代わりに房数が多くジベレリン処理をするのが大変です
大切な行程なので、処理のし忘れなどが無いように食紅を入れて慎重に行うんですね
連日 何千個、何万個といった葡萄を処理していくので、食紅で手がまっかっかになります
トップ画像の手は食紅で赤くなっているだけなんです
炎天下の中この作業をするのはなかなか大変です
写真のようなジベレリン処理専用のカップに薬液を入れて
一房ずつぶどうをジベレリン処理していきます
この時のぶどうはこんな感じ
長さは5センチほどで形状も細長いですねー
このカタチを一つひとつ確認してジベレリン処理のタイミングを見極めます
ちなみに写真のぶどうは処理してもOKです
※農家さんによって個々のタイミングがあります
![3月のぶどう畑 デラウェア短梢剪定](https://kaneoku-grape.com/wp-content/uploads/2018/03/1427-1024x768.jpg)
園内はこんな感じ
ぶどう園内はまだまだ明るいですが
これから一ヶ月もすると天井が葉に覆われます
ブログに写真を載せるので楽しみにしていてくださいね!
ちなみにデラウェアのジベレリン処理は
教科書的には開花の14日前とされています
作り手によってタイミングや、処理する薬剤の濃度によって違ってきますが
だいたい目安はそれくらい
もちろん処理のタイミングはその年の気候によって変わりますし
ハウスの温湿度管理もしっかりやらないと薬が効きません
これから5月末頃まではジベレリン処理に追われる毎日になりそうです
ちなみにデラウェアの花はこんな感じです
写真は八分咲きってとこですかね
ぶどうも花が咲くんです。ほんのり甘い香りがしますよ